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日本教育史
近現代沖縄におけることばの教育史
近現代、学校、教員、ことば、教育実態、教育実践、沖縄
明治維新により成立した日本国の政府は琉球王国を廃して沖縄県を設置した(1879年)。その後、沖縄統治の一環として学校を設置し、そこへ子どもたちが就学していく。学校の設立普及過程において、沖縄の人々の生活がどのように変容していくのか、そしてそこでは学校教育は何を行なったのか、その歴史的事実を確定しながら近現代の沖縄の人々にとって学校、教育とは何であったのかを明らかにしようとしている。
ここ十数年は、その課題をことばの教育に注目して深化させようとしている。やや具体的にいえば、沖縄のことばを話すことは、時期により強弱はあるが「愛国心」や労働といった政治的経済的な視点と関連づけられて矯正の対象であり続けた。それを象徴するモノが、学校で沖縄のことばを話した子どもたちに渡され、何らかの罰を伴った「方言札」である。にもかかわらず、子どもたちは沖縄のことばを話し続ける工夫をこらし続けたし、地域の大人たちも標準語で話す子どもたちを「冷笑」していたことを見逃すべきではない。このような近現代沖縄におけることばの教育史について、「方言札」をめぐって、また教育活動を行なう教師たちおよびその団体に注目して調査研究を進めている。
このような研究を進めるにあたり、沖縄戦による史料の焼失という現実に直面し、沖縄近現代教育史関係史料の収集整理に基づく復刻等も自らの課題としている。
同時に、このような教師やその団体への歴史的な関心に基づきながら、北海道大学の教員養成に関する調査研究およびその実践も、学内外の研究者と協力しながら行なっている。
1996年9月 北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程修了
1996年10月 愛知県立大学講師(のち助教授、2006年9月まで)
2006年10月 北海道大学大学院教育学研究科助教授
(のち同大学院教育学研究院准教授、2019年9月まで)
2019年10月 北海道大学大学院教育学研究院教授(現在に至る)
『近代沖縄における教育と国民統合』北海道大学出版会、2006年(単著)
『沖縄教育 復刻版』全39巻+別冊、不二出版、2009~15年(編集委員)
「方言札の広がりととまどい―「普通語ノ励行方法答申書」(1915年)を中心に」、法政大学沖縄文化研究所『沖縄文化研究』第44号、2017年
教育史学会、日本教師教育学会、日本教育学会、北海道教育学会、沖縄文化協会、琉球沖縄歴史学会
教育学部:教育学概説(教育の歴史)、教育基礎論講義(近現代学校史)、専門演習
教職科目:教職入門、教育実習、教職実践演習
全学教育科目:主題別科目・歴史の視座(北海道大学の歴史)
大学院:学校教育特論(学校史)、教育学調査実験