近現代における学校をめぐる教育政策および教育実践ならびにその文化に関する歴史的研究
現代の教育では、ほとんどすべての一定年齢の子どもたちが、一定期間継続して「学校」というものに通い一定の学習を行なうことに特徴がある。現代日本において自らの生い立ちを「学校」とのかかわりなしに語ることは、通わなかった場合も含めて、きわめて難しいだろう。それにとどまらず「学校」とのかかわりを軸として、教育や生活にかかわる「問題」をとらえる思考回路を私たちは知らず知らずのうちにもっている。たとえば不登校は、一定年齢の子どもは登校するという状態が当然と思われてはじめて「問題」となりうる。私たちは多くの「常識」(疑われることのない前提)に囲まれて、その思考枠組のなかで生き、そこから自由になるのは容易ではない。現状を理解し、「問題」の根源に立ち返り未来を展望することをめざして、各自が考えようとする課題に対して、史資料の調査収集およびその分析を行なうことを大切にして、研究・教育を進めていく。
婦人雑誌黎明期における「衛生」―『女学雑誌』を中心に
一般大学出身教師の成長―大学での学びと初任期の困難に着目して