人類を人類にならしめてきたもの、それぞ、身体文化に他なりません。体育・スポーツ史学は体育・スポーツ文化を通して人類史の全体をみつめ、その深淵に迫ることができる領域です。我々の行動が血湧き肉躍る感情豊かなスポーツ文化によって生かされ、人間を人間たらしめていることの可能性を知ることができます。学校教育現場に体育の授業があるのはなぜでしょう?社会においてスポーツはどのような働きをしているでしょうか。体育やスポーツ文化はどのようにあるべきだと考えますか?なぜそのように思うのでしょう。そのためには、バックグランドを知る必要があります。
すべてのスポーツが世界中で行われていること、行われていないことの双方に理由があります。文化帝国主義を抜きに、スポーツの世界化の問題は語れない一方で、身体に向けられる微細な権力構造がそれを単一化していないという気づきも必要です。体育・スポーツ史の勉強とは、机上における世界を巡る身体文化の旅に他なりません。