北海道大学/大学院教育学研究院/教育学部
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専門分野

教育方法学

学部所属

教育基礎論分野

学院所属

学校教育論講座

メッセージ

学校種を問わず、授業を観るのが好きで、先生方と授業を作り、授業について議論する時間にいつも活力をもらいます。教育の目的・内容・方法の研究を通じて、みんなが知的喜びを共有でき、生徒も教師も楽しく学べる授業・カリキュラムのあり方を追究しましょう。

専門領域

教育方法学

研究テーマ

 1. 教育の目的・内容・方法の相互連関
 2. 外国語教育における言語的知識の形成とコミュニケーション活動の有機的連関構造
 3. 授業研究の方法論

研究の内容を表すキーワード

外国語教育、英語科教育、教育内容構成、授業づくり

研究の詳細な内容

 現時点で私の研究は、大きく5つのストランドで構成されています。
 まず、私の中核にある「教育内容・教材構成論」のストランドです。2008年の博士学位論文において、学校教育における外国語科、あるいは外国語としての英語教育一般の教科カリキュラムの枠組みを、「言語的諸能力の積上げ」と「言語的諸能力(の総体)の運用」から成るものとして提示しました。当該論文は、英語の比較表現の授業実践とその評価を通じて、前者の中のさらに「文法的知識を形成する領域」においてどのような教育内容構成のアプローチが求められるかを論じたものです。ただし2008年以降は、大学で英語を教える立場から、実際に「言語的諸能力の運用の領域」をどう授業の中で充実させるかが自分の中で切実な課題となり、2012年ぐらいまでは協同学習の実践や高校教員との教材開発・実践プロジェクトを通じて、このストランドを深めて来たと言えます。
 英語教育研究に深く関わるようになって、どれだけ教育内容・教材構成論を深めたとしても、授業を通じてその「効果」や「意味」を実証的に明らかにする方法論が整っていなければ実りのある研究は難しいのではないかと思うようになりました。それ故、同じ課題意識を持つ共同研究者と「研究方法論」のストランドにおいて量的・質的アプローチの研究手法やメタ分析の吟味を行ってきました。関連する「文法的知識を形成する領域」の個人研究として、第二言語習得・外国語教育研究のメタ分析の再分析にも取り組みました。そもそも(明示的)文法指導についてどういう研究がこれまで行われ、どの程度の効果があることが示されているのかを整理しない限り、「教育内容・教材構成論」のストランドに関する教育方法学的研究を当該分野の人たちに理解してもらうのは難しいと考えたからです。
 教員養成系大学に勤めている間は、教育内容・教材構成について語るにせよ(英語教育の)研究方法について語るにせよ、常に「(英語)教員養成・教師論」のストランドの問題として、どれがどういう意味を持つかを意識せざるを得ない立場となりました。中学校・高等学校の検定教科書の編集や、授業改善の助言者という立場での小中高の先生方との共同研究は、このストランドの研究であると同時に、教育学者としての私のプラクシスです。北海道内外における授業研究のネットワークの構築を進めていきたいと考えています。
 上記3つのストランドをたぐる中で、そもそも教科として英語を教える目的論が人によって異なること、あるいはそもそもその議論が欠けていることが気になるようになりました。4つ目の「教科目的論」のストランドです。『流行に踊る日本の教育』の論考などを通じて、上記3つのストランドにおける自身の研究成果を、学校教育の一環としての英語教育に適切な距離で位置づけると同時に、教科教育研究と教育方法学研究との間における個別・一般の関係で捉えるようになりました。外国語(英語)科の目的論に軸足を置きながら、教育の目的・内容・方法の相互連関の考察をさらに進めていきます。
 最後に「授業論一般」のストランドです。「英語の授業は英語で」という学習指導要領の方針をかなり早い段階で批判的に論じた論文にもその萌芽は見られるのですが、ここ数年の間で「GIGAスクール構想」や「個別最適な学び」に代表されるような教育政策の動向について、それが授業にもたらす課題を論じる機会をいくつか得ました。共訳したガート・ビースタ『よい教育研究とはなにか』は、上記のすべてのストランドをひっくるめて俯瞰する視座となり、英語教育を事例として、文化心理学と歴史学に依拠した授業研究の方法論をまとめたのが最近の到達点です。ここに教育内容・教材構成論のストランドをどう埋め込み、とりわけ文法的知識を形成する領域の授業研究を展開していくかが、教育内容研究を基軸とする教育方法学研究(体制)の再構築という今後の主要な課題になります。

略歴

 2008年3月 北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程修了 博士(教育学)
 2008年4月–2010年3月 静岡理工科大学 教育開発センター 特命講師
 2010年4月–2012年3月 静岡理工科大学 総合情報学部人間情報デザイン学科 講師
 2012年4月–2015年3月 静岡大学教育学部英語教育講座 講師
 2015年4月–2021年3月 静岡大学教育学部英語教育講座 准教授
 2021年4月–2026年3月 中京大学国際学部 教授
 2026年4月 北海道大学大学院教育学研究院 准教授

主な研究業績

 詳しくはresearchmapをご覧ください。

[著書](一部)

  • 仲 潔・亘理 陽一 ・藤原 康弘 (2026)『先生、英語ってなぜそう教えるんですか?: 学生の疑問から考える英語科教育法』ひつじ書房.
  • 日本教育方法学会 (編)(2024).『教育方法学辞典』学文社.(編集委員の1人を務めた他、「贈与論」(p. 29)、「外国語科の教科論」(pp. 220)を執筆)
  • 大津 由紀雄・亘理 陽一(編) (2021).『どうする、小学校英語?: 狂騒曲のあとさき』慶應義塾大学出版会.
  • 亘理 陽一・草薙 邦広・寺沢 拓敬・浦野 研・工藤 洋路・酒井 英樹 (2021).『英語教育のエビデンス: これからの英語教育研究のために』研究社.
  • 亘理 陽一 (2021).「外国語コミュニケーション」石井 英真(編)『流行に踊る日本の教育』(pp. 173–198)東洋館出版社.

 

[論文](一部)

  • 亘理 陽一 (2026).「外国語(英語)科教育の徴候解読型アプローチ」『学習集団研究の現在』(pp. 135–146)渓水社.
  • 森田 光宏・亘理 陽一・水本 篤 (2025).「『好き』の向こう側」『外国語教育メディア学会機関誌』62, 25–53. doi: 10.24539/let.62.0_25
  • 亘理 陽一 (2025).「小学校英語教育の『三体問題』」『子どもと発育発達』22, 100–102.
  • 亘理 陽一 (2024).「スマート・イナフ・エデュケーションは可能か: 教育DXの教育方法学的検討」『日本教育法学会年報』53, 66−76.
  • 亘理 陽一 (2024).「学校英語教育の目的論を再考する: 社会的環境と構成的発達段階の視点から」『中部地区英語教育学会紀要』53, 89−94.
  • Mizumoto, A., & Watari, Y. (2023). Identifying key grammatical errors of Japanese English as a foreign language learners in a learner corpus: Toward focused grammar instruction with data-driven learning. Asia Pacific Journal of Corpus Research, 4(1), 25-42.
  • 常名 剛司・和田 将延・亘理 陽一 (2023).「小学校英語における児童の発音練習に有効な教材の開発」『静岡大学教育実践総合センター紀要』33, 289–294.
  • 亘理 陽一 (2022).「『個別最適な学び』の何が問題か」『学校教育研究』37, 70–83.
  • 常名 剛司・亘理 陽一 (2022).「現代的課題を解決するCLIL授業での児童の意識の変容: 小学校外国語教育と環境教育の総合実践」『中部地区英語教育学会紀要』51, 65−70.
  • 亘理 陽一 (2022).「エンハンスメントとアダプテーション: デジタル・テクノロジーによる主体性の行方」『教育学の研究と実践』17, 14-22.

 

[翻訳]

  • ガート・ビースタ(亘理 陽一・神吉 宇一・川村 拓也・南浦 涼介[訳])(2024).『よい教育研究とはなにか: 流行と正統への批判的考察』明石書店.
  • アナスタシア・P・サマラス(武田 信子(監訳)、セルフスタディ翻訳プロジェクトチーム(訳))(2024).『教師のためのセルフスタディ入門: 協働的な問いによる実践の改善』学文社.
  • ジョン・ハッティ(山森 光陽(監訳))(2018).『教育の効果: メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化』図書文化社. ※第2章(pp. 35–56)を担当

所属学会

 日本教育学会、日本教育方法学会、中部地区英語教育学会、全国英語教育学会、小学校英語教育学会

担当する授業

(学部と大学院)
専門演習、教育学概説、教育方法学、(教職課程)教育方法論

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