北海道大学/大学院教育学研究院/教育学部
Language
トップイメージ

専門分野の紹介

更新日:
教育心理学講座

視知覚認知過程論

テーマ

適応を可能にする認知過程の可視化

紹介

 下記2つの研究方法論を基礎として、教育や適応に関わる問題にアプローチします。

・注意の認知心理学

 注意は脳の限られた処理資源を特定の処理過程や処理段階に配分して重みづけたり、分散して表象されている情報を統合したりする機能である。刺激によって喚起されたり誘導されたりするボトムアップの注意と、意図に応じて特定の処理が促進または抑制されるトップダウンの注意があり、それらはそのときどきの目標や意識内容をワーキングメモリ内に保持する役割を担う。学習やコミュニケーションなど日常生活におけるさまざまな認知活動は注意に支えられているため、個人の状態や特性による注意機能の違いは、生涯に渡って社会生活への適応に影響すると考えられる。注意研究が蓄積してきた研究方法や概念を基礎として、教育や適応に関わる問題に対する検証可能な研究課題を導く。

・脳波・事象関連電位(event-related potential: ERP)

 行動の背景にある心の働きは必ずしも意識されない。それを可視化し、客観的に測定する方法として脳機能計測がある。特に脳活動に関する高い時間解像度と一定の空間解像度を持ち、比較的安価に測定できる脳波と、脳波から算出されるERPは、心理学における有益なツールとなっている。これまでに行動反応以前の複数の処理段階における処理や、行動反応を伴わない準備状態など、さまざま認知過程を反映するERP成分が見いだされている。最近は脳のリズミックな活動の周波数解析によって、より基盤的な神経メカニズムの解明の可能性が増している。行動実験に合わせて脳波・ERPを検討することで、心の働きと仕組みを解明する。

 なお「視知覚認知過程論」は、奥田三郎先生、狩野陽先生、北島象司先生、諸冨隆先生、室橋春光先生が指導した特殊教育・臨床心理学グループから、視覚の基礎研究部分が2015年に分岐しました。

教員の紹介

 知覚・認知過程を行動実験や脳波・事象関連電位(ERP)の測定によって検討しています。(詳細は教員のページをご参照ください。)

求める学生像

意識できない、あるいは自分ではコントロールしきれない心の仕組みを実験によって解明したい人

仮説検証的に考え、仮説に合わない結果も楽しめる人

修士論文(2015~)

目標表象を想起する順番が潜在連合テストの結果に及ぼす影響の検討

持続時間の照合過程に関する電気生理学的検討

文字列特異的な神経反応への注意の影響

眼屈折度が全体と細部の認識に及ぼす影響:遠近視空間における分割的注意課題による検討

An event-related potential study of early stages of processing for Hiragana strings

心的回転における身体化認知の男女差の検討

博士学位論文

初期の空間的注意選択における知覚的体制化の役割
 

研究室ホームページ

https://vpcplab.jimdofree.com

トップへ戻る