私たち産業教育研究グループは、職業教 育・職業訓練、あるいは企業で働いている人たちの教育訓練について研究しています。働くということは、生活のためのお金を稼ぐという点でたいへん大切なことです。そして仕事を通じてやりがいを得たり、自分を成長させたりする、重要な営みでもあります。
これまで日本企業は、学校教育にさして特定の職業能力を求めず、入社後の企業内教育で技能や能力を育成させてきました。ですが近年は雇用形態を多様化したり、成果主義を導入するなどして、教育訓練のあり方を転換させています。また優秀な人材を求めて、女性を積極的に活かそうとする企業も現れています。こ のため男性と女性の仕事の分担を見直し、仕事と家庭の両立に向けた各種制度を導入しています。こうした教育訓練や雇用管理の変化は、働く人々の労働条件や意識にどんな影響を与えているでしょうか。また職業教育や職業訓練には、変化が生じているでしょうか。
こうした働くことをめぐる現状について、ゼミでは実態調査をもとに考察します。卒業論文では、自分の関心にあったテーマを選び、職場や学校に出かけ、アンケートやインタビューを行います。みなさんには、ゼミでの議論、調査、卒論執筆を通じて、社会を冷静に読み解く力を身につけてほしいと思います。