乳幼児発達論研究室では,主として乳幼児 期の発達と子育て,保育・幼児教育の問題を取り上げて研究を行っています。発達の研究は,自分自身の歩みを振り返るような仕事でもあり,そしてこれからの 自分と社会の関係,やがて訪れるかもしれない我が子との対面と子育てを想像する未来志向の営みでもあります。社会が高度に複雑化し,価値の多様化・重層化・流動化した現代社会において,発達という現象のあり方にも変化が生じています。
大学で子どもの発達研究に携わるということは,様々な研究手法や理論・概念といった既成知を獲得するとともに,やがて社会に出て何らかの形で次世代の育成に関わる自分自身の価値観と責任の範囲を見定めるステップでもあると考えます。
当研究室では,保育・教育・子育ての現場における観察研究や聞き取り調査を大切にしています。自分自身の目でしっかり観察し,子どもや大人の言葉に 耳を傾け,そこから研究課題を見つけ出していくのです。そうした現場での姿勢は,どのような進路に進むにも意味を持つでしょう。