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【第2回レポート】北大子ども学ゼミナール:「子ども理解」を考える

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11月29日(土)に、北大子ども学ゼミナール(全3回)の第2回を開催しました。

第2回:子どもをあらわすということ レポート

報告者:伊藤一奈(北海道大学・乳幼児発達論研究室修士2年)

「北大子ども学ゼミナール」第2回は、「自分自身が子どもをどのように捉え、表しているか」について考察を進める回となった。

前半は、札幌トモエ幼稚園の宮武大和さんを講師にお招きし、写真撮影という行為の中に、保育者の価値観や視点がいかに反映されるかについてお話しいただいた。グループワークでは、各参加者が保育実践で撮影した写真を手がかりに、そこから感じたことや、“まなざし”としての視点・価値観を言葉にする作業を通して意見交換を行った。持ち寄られた写真には、子どもの日常の一場面や、やり取りが垣間見えるエピソード性のある生き生きとしたものが多く、参加者は互いの観察や気づきを共有した。

後半は、写真に代えてエピソード記録を持ち寄り、自分の記述の癖をグループで話し合った。前半の議論は後半にも引き継がれ、自分の記述に表れる視点や価値観の偏り、注目する場面の選び方などを振り返りながら話し合うことで、保育者としての観察や記録の方法を相対化する経験を得た。前半の議論との共通点として、川田センター長のお話しから保育の記録は「他者を表しているようで自分を表していること」、「子ども理解は自己理解と表裏一体であること」、「書いたり撮ったりしたものを内省することは保育を深めること」にあると確認された。また、保育者は身体で子どもと会話をしているという「身体性」も保育実践の重要なキーワードとして示された。

写真や記録を通した自己省察により、参加者は自分自身のまなざしを意識化し、子ども理解と自己理解が相互に作用することを体験的に学ぶことができたと思う。次回の最終回は、これまでの学びを総括し、保育実践にどのように活かすかを考えるとともに、参加者一人ひとりの学びを確認する機会となることが期待される。

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(当日の様子)

教室内に、宮武さんが撮影した写真パネルが並びました。

前半のグループワークでは、各参加者が持参した写真を紹介し、意見交換をしました。

後半は、それぞれのエピソード記録をグループ内で紹介し合った後、自分自身の記述のクセや特徴を書き出す作業をしました。