ヒトの運動制御は、現代の最先端ロボットでさえ再現困難なほど柔軟かつ精巧であり、その仕組みには未明の点も多い。脳も含めた膨大な階層・冗長性を有するこの制御系の研究は、近年では医学、生物学、工学、情報科学、心理学、社会科学など、様々な研究領域が集う非常に学際的な研究分野として活況を呈している。
本研究グループは運動制御・知覚情報処理の研究を介してヒトの社会生活支援の手立てを構築することを目的とする。この目的に適ういかなるテーマも研究の範疇となるが、現在のところは1)バランス維持を含む位置・力の制御およびそれに関連する多感覚統合(→運動機能障害の支援)、2)冗長な環境化における運動学習・適応(→動作習得・上達の支援)、3)集団行為における個人間協応(→社会適応障害の支援)、の3つのテーマを柱として研究を進めている。