北海道大学/大学院教育学研究院/教育学部
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専門分野の紹介

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教育社会論講座

産業教育

テーマ

 上原慎一(教授):産業労働問題と職業教育訓練の接続に関する総合的研究
 陳鵬(MC):日本向けオフショア開発関連企業の労務管理に関する研究
 下郷沙季(MC):学生アルバイトの労働市場に関する研究

紹介

 グループの対象とする研究領域は次の3点である。
 第一は、具体的な労働過程と労働編成の分析を通じて、現代の多様な諸産業部面で求められる労働力の質を明らかにすることである。
第二は、現代的な労働能力を形成する教育訓練のあり方を問うことである。しかしその場合、「学校における教育」を直接の対象にするというより、経済・産業・企業の動向との関係に重点を置いている。すなわち、企業社会における教育システムや労務管理による処遇のあり方との関係において、労働者の職業的自立や資格制度の意味合いが吟味されなければならない。第三に、現在職業能力の形成にあたって学校や厚生労働省その他の公共的機関における教育が重要性を増している。中高年失業者の再就職の促進や、技術革新・産業構造の変化による在職者訓練、あるいは増大する学卒フリーター問題の解決のためにもそれらは期待されている。こうした期待にこたえるには何が必要かを考察している。

 以上のように、いわば産業教育グループの研究領域は、これまで、"労働"にかかわる諸分野を研究してきた社会政策学・労働経済学・労働社会学・産業教育学・経営労務管理論などの幅広い領域とかかわりのなかで位置づいている。このかかわりの中で、"労働力の陶冶"による自立の意味と条件を考察するところに当グループの核心とユニークさがある。

求める学生像

産業、企業、労働の現場に興味のある方、歓迎します。

教員の紹介

修士論文

    • 日中合弁自動車企業の労働編成と人材育成
    • 企業におけるメンタルヘルス対策に関する一考察――業務内容と人事労務管理に着目して
    • 「多様化」する博物館スタッフの労働と能力形成
    • 中学校の職場体験学習における地域・行政・学校の役割
    • 現下における医療従事者の労働と“ハラスメント”
    • 新聞記者のメンタルヘルスに関する一考察
    • 季節労働にみる若者不安定就業者の実態
    • 農業研修生の就農と労働に関する研究

博士論文

  • 王 穎「中国における高校教員の労働実態及びストレスとその対策に関する研究」

「労働」のリアリティを読み解く ~ 産業教育研究グループ 元院生の声

 産業教育研究グループでは、現代の多様な産業部門における労働の実態を分析しています。具体的には労働過程、労働編成、労働市場の調査・分析を行い、これを通して、当該産業に特徴的な「労働」のあり方に迫ることをめざしています。
 今日の労働問題を考えるため、資本主義の成立過程にまでさかのぼり、その展開・変容の過程をたどりながら、現在の諸現象との関係について考えています。テキストとして、日本資本主義の歴史、労働運動の歴史、労働調査研究に関する文献をもちいています。
 ゼミ報告者は、テキストの数行を読み解くのに90分の授業時間を使うこともあります。あまたの研究蓄積に立ち戻り、時に画像資料も探し利用しながら、あたかも、自分もその時代に足を踏み入れたかのごとく、ありありと細部まで拾い上げ、共有しながら議論し、理解を深めています。そこに当ゼミの特徴と面白さがあると感じています。

 

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