33 大学院教育学院で指導にあたる 教育学研究院以外に所属する教員の紹介 教育学院で探求する内容は多岐にわたるため、教育学研究院だけでなく、 北大内の他の研究院、機構に所属する教員とともに各講座が運営されています。 I 生涯学習論飯田直弘 高等教育の比較研究が専門で、特にイギリスと 日本を中心とする入試制度(資格制度)の国際・ 国内比較に関心があリます。現在は、国内外の 多様な学習成果・学習歴の承認・評価枠組みに 基づく大学入学者選抜方法の開発に関する 研究などに取リ組んでいます。 I 生涯学習論田中孝平 大学における学生の学びの経験について 実証的・実践的に研究しています。特に、 高大接続(高校と大学の間の接続)や、 高校から大学への移行を経験する学生 への支援の方法について、大学入学以前 の取組も含めて関心をもっています。 1 教育社会論亀野淳 学校(特に大学)での勉強と社会に出て からの仕事との関連について研究して います。大学院を担当していますが、全て の学部 1 、 2 年生を対象としたキャリア 教育なども担当しています。 1 学校教育論江本理恵 私は教育の現場で発生した問題に対する問題 解決を研究しています。最近は、大学をフィールド として、 FD、 IR、教育の内部質保証システムなど を研究対象としていますが、初等中等教育の 現場も取リ扱うことがあリます。 1 多元文化教育論青木麻衣子 オーストラリアの教育政策・制度を研究 しています。多文化主義を国是とする同国 が、国内の多様性と国家としての統一性 にいかに折リ合いをつけているのかに 興味があリます。 I 多元文化教育論 ジェフリー・ゲーマン I 質的調査を通じたアイヌ民族の教育や文化 伝承を中心に研究をしていますが、マイノリ ティ研究、多文化共生、異文化間理解教育、 言語復興といった北海道、日本、世界的な課題 も視野にいれています。 1 多元文化教育論土田映子 アメリカ合衆国の移民の社会的・文化的適応 過程や、集団的・地域的アイデンティティの 形成についての研究経験があリます。多文化 社会における教育のあり方や役割、国民や 民族集団のアイデンテイティやイメージの 形成に関心をもっています。 I 多元文化教育論 プンティロフ・ゲオルギー I 国民アイデンティティ論における「我が国l と「他国Jを議論する 言説の分析を国民と地域アイデンテイティに基づいて研究して います。博士課程の時に日本とロシアの辺境における報道と それぞれの国家レベルの報道の比較分析に興味を持ち、北方 領土問題や日露交流について研究をしていました。現在、日本 (特[ゴ直内)[コ3けるロシ万語発音指導についてサ研究しています。 1 多元文化教育論堀晋也 「これからの時代に即した外国語教育」について 考えながら研究・教育活動に取リ組んでいます。 現在は学習者の動機づけ(モチベーション)、 ICT を活用した自律学習、ヨーロッパの言語教育政策 などに関心を持っています。 北海道大学教育学部→大学院教育学院へ進学 「見方」が変わると、世界が広がる 塩崎世佳さん福祉スポーツ論ゼミ (2022年度卒業) 北海道大学大学院教育学院(修士課程 2年) 高校生の頃から教員になリたいと考えておリ、教育について学問として深く学ぶことができる北海道大学 教育学部へ進学しました。実際に入学してみると、「スポーツ社会学」や「障害学」など多様な分野にも新たに 触れることができ、興味を持ちました。 こうして福祉スポーツ論ゼミに所属し、卒業論文では、車椅子を使用しながら弓道に取リ組む人たちの 経験について研究しました。彼らがどのような困難に直面し、それにどう向き合っているのかをインタピュー を通じて調査しました。研究を進めるうちに、さらに深く学びたいと感じるようになリ、一般企業への就職を 辞退して大学院進学を決めました。 現在も障害のある人たちの弓道を事例に、「武道」の実践を通じてどのように「障害」が経験されるのか、 ということについて研究しています。弓道における「型」や作法が、障害のある人たちが実践する上でどのような 意味を持つのか、身体的な「できなさ」だけではなく、「こうあるべき」という価値観や規範との関わリを通じて 生じる「できなさ」にも注目しながら考察しています。修士課程修了後は博士後期課程に進学し、さらに研究 を深めていく予定です。 私にとって、これまでの研究や北海道大学での学びを通じた一番の面白さは、今までの自分にはなかった 新しい「見方」を得られたことにあリます。私自身も、「障害」や「武道」に対する新たな視点を社会に提示 できるような研究をしていきたいと考えています。 北海道大学教育学部では、予想もしなかった興味や関心に出会えるチャンスがあリます。私自身、入学当初 は現在の研究をするなんて想像もしていませんでした。自分が何について学びたいかまだ分からない人でも、 すでに関心のあることがなんとなく定まっている人であっても、北海道大学教育学部できっと、自分の興味が 持てることを見つけられると思います。 北海道大学教育学部→大学院教育学院→起業 教育学部で学び、起業へと繋がった道 小幡基さん発達心理学ゼミ (2 0 1 8年度卒業) 北海道大学大学院教育学院修士課程(2020年度修了) 勤務先:株式会社 WREERA 取締役 【仕事】 生徒に勉強を教えるのが最大の仕事です。その他にも、保護者との面談や広報活動、経営者として人との 繋がリを作リ、ピジネスチャンスを増やす取リ組みなどもしています。 私は高校生の頃、教員になリたいと思いながらも、進むぺき学部が決めきれず、北海道大学に総合入試で 入学しました。大学 1 年生の時、教育学部の授業で「教育って面白い!」と感じ、教育学部に進学を決めました。 卒論では幼少期から大学生までの学習に対する価値観がどう形成されるかについて、大学院では探究的 な学習の時間で先進的な取リ組みをしている高校を事例に、その成功要因について研究しました。教育の 学びを深める中で、次第に自分が興味を持つ分野が見えてきました。大学院修了後、大手塾に就職しましたが、 次第に自分の理想と現実にギャップを感じるようになリました。塾業界では出世するほど、教える現場から 離れることが多く、自分が理想とする教育ができないことに悩みました。そんなとき、教育学部の同期から 「一緒に空き家を利用した学習塾を始めないか?」と誘われ、塾を開業する決断をしました。 経営する塾では、日々生徒に勉強を教えながら、保護者との面談や広報活動なども行っています。生徒 一人ひとリに合った教育方法を見つけ、彼らの成長を支援できることにやリがいを感じています。また、 教育学部で身についた「生徒の気持ちに寄り添う力」や「共感する力」が、仕事に大いに活かされています。 大学入学時、自分には特別な才能もなく、何をしていいか分からないと考えていました。北海道大学教育 学部で学ぶ中で、そんな自分だからこそ、できない、分からないという子どもたちの辛さに寄リ添い、一緒に学ぶ ということができると気づきました。学問として教育を学びたい人はもちろん、進路に迷った人にも教育 学部はおすすめです。 そして、素敵な同期や先輩・後輩、先生方に出会え、一生の宝物ができます! 34
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