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教育社会学
教育と社会的不平等に関する研究
社会的不平等、階級・階層、エスニシティ
「教育と社会的不平等」に関する理論的実証的な研究を行っている。その際、多様な社会的不平等の相互関連の検討とともに(『階級・ジェンダー・エスニシティ』(共編著))、とくに3つの側面に焦点を当てて、「教育と社会的不平等」の問題にアプローチしてきた。
1つは、「階級・階層的不平等と教育」の問題である。近年、「格差社会」論や「貧困」論の中で、所得や資産などの経済格差の側面から議論されることが多くなっている。しかし、「階級・階層的不平等と教育」の関連は、経済面だけでなく、家庭や学校の文化的側面、社会関係的側面や教育的側面など、多面的な角度から検討しなければ、そのメカニズムは明確にできない。この点について、『再生産論を読む』、『教育と不平等の社会理論』、『教育の不平等』(編著)で検討してきた。
2つ目は、「エスニシティと教育」の問題である。現在、日本では少数民族の異議申し立てと外国人労働者の増加により、エスニシティにもとづく社会的不平等と教育の関連が問われている。こうした問題意識から、1990年以降急増した日系ブラジル人が集住する地域をフィールドにして、実証研究を進めてきた(『日系ブラジル人の定住化と地域社会』(共編著)、『在日ブラジル人の教育と保育』(編著)、『講座 トランスナショナルな移動と定住』(全3巻)(編著)、Crisis in Education: Modern Trends and Issues (共著)。近年、先住民族に関する実証研究も手掛けている(『北海道アイヌ民族生活実態調査報告』1~4(編著))。
3つ目は、「地域格差と教育」の関わりの問題である。現代日本では、経済のグローバリゼーションのもとで、経済面や社会生活面での地域格差が深刻化している。地域社会の不平等のあり方も、教育と大きなかかわりをもっている。
『戦後日本の地域社会変動と地域社会類型』、『地域社会学の視座と方法』(共著)、『地域社会へのまなざし』(共著)などで、これらの問題にアプローチしてきた。
今後、これまで進めてきたそれぞれの研究をより深化させるとともに、「教育と社会的不平等」のメカニズムと社会的不平等を克服する教育のあるべき姿に関して理論的なまとめを行おうと考えている。
1984年 北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程 単位取得退学
1984年~1986年 北海道教育大学旭川分校助手
1986年~1995年 北海道教育大学旭川分校助教授
1995年~2000年 北海道大学教育学部助教授
2000年~2002年 北海道大学大学院教育学研究科助教授
2002年~2007年 北海道大学大学院教育学研究科教授
2007年~現在 北海道大学大学院教育学研究院教授
日本教育社会学会、日本社会学会、地域社会学会、村落社会研究学会、北海道社会学会
学部
教育学概説(教育と社会1)、教育社会科学講義(教育社会学)、専門演習(教育社会学Ⅰ~Ⅲ)、教育社会科学調査実習(教育社会学調査実習)
大学院
教育社会特論(教育社会構造論)、教育社会特論(教育社会環境論)、教育学調査実験Ⅰ~Ⅳ
教職課程
教育課程論Ⅱ